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【愛知県碧南市】ふるさと納税担当者としてあるべき姿
皆さんはじめまして。
愛知県碧南市ふるさと納税担当の坂本直敏(さかもと なおとし)です。
「僕、日本を変えに来ました」
そんな誰もが困惑する話をさせて頂いたのが、2017年8月に開催された㈱トラストバンク主催「ふるさと納税 鳥取サミットin米子市」の事例発表の場。僕がふるさと納税の担当になって5ヶ月経った時です。緊張と不安に声を震わせ、戦う気持ちで臨んだことを覚えています。
今でもここで話した気持ちは変わりません。大切な方から頂いたブログのバトンです、そんな想いも話させて頂ければと思います。
さっそくですが、碧南市、ご存知ですか?
人口はおよそ72,000人。愛知県の南に位置し、川や港に囲まれ温暖な気候と風土に恵まれたまちです。商業、農業、漁業の調和のとれた産業構造で臨海部には工業地帯が広がっています。「ひとのわで 楽しさつくる みなとまち へきなん」をキャッチフレーズに、元気で活力あるみなとまちを目指しています。
ふるさと納税がなければ皆さんが知る機会のなかった自治体かもしれません。是非、この機会にご興味下さい。
碧南市は昔から醸造のまちとして栄え、白しょうゆ発祥の地としても有名です。
ふるさと納税の返礼品には、味淋や醤油、白だしなどの調味料やそれらを使った品が多くあります。
返礼品としてうなぎも人気ですが、その秘密も醸造のまちだからこそ作れるうなぎのタレにあります。
また、自動車部品の型として使われる鋳物(いもの)は醸造に並ぶ碧南市の伝統産業で、鋳物でつくられたフライパン「おもいのフライパン」は鋳物の新たな可能性を見出したものです。
航空宇宙産業で国内唯一の技術を持つ会社が事業所を構え、次世代産業として航空宇宙分野の発展も目指しています。
ふるさと納税を通し、碧南市の良さを再確認し新たな魅力を発掘することができました。
碧南市は深刻な社会問題を抱えている訳ではありませんが、これまでの碧南市から一歩踏み出し「市民が誇れる碧南市」「子どもたちが夢を語れる碧南市」にするため、ふるさと納税を碧南市の未来のために活用していきたいと考えています。
僕は2017年の4月の人事異動でふるさと納税の担当になりました。碧南市は2014年の秋からふるさと納税を本格的に進めていますが、恥ずかしい話、配属されるまで制度の名前ぐらいしか知りませんでした。
「寄附金額、寄附者数、他にない返礼品、、、。」
仕事の引き継ぎを受ける中、大きな疑問が生まれました。
「ふるさと納税って、何ですか?」
ものすごくモヤモヤしたのを覚えています。
碧南市の魅力を全国の皆さんに知ってもらい寄附をして頂くことはふるさと納税の目的の一つと理解していましたが、いかに寄附金を集めるか、いかに寄附件数を増やすかの仕組みの話ばかりで、大事なことが欠けている印象でした。
そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが、㈱トラストバンクがふるさと納税担当の初任者向けに開催した「全国セミナー」です。セミナーでは、ふるさと納税が地域を変えた事例やふるさと納税の本質的な部分が話されました。
セミナー終了後、すぐ講師の元に走り、僕が第一声に発した言葉が「そういうことですよね!!」でした。
「ふるさと納税は大きな可能性を持っている。この制度があればまちが変わるかもしれない」
そんな衝撃を受けたセミナーでした。
そこで思うことが、
「寄附金や寄附件数が増えたら碧南市が幸せになるのか?夢を語れる碧南市になるのか?」
ということです。
そんな疑問と向き合うきっかけとなった碧南市のお礼の品があります。
100万円以上の寄附金で市内公共施設を貸し切ることができる「へきなん満喫スペシャルプラン」。
当初は、会社の福利厚生やグループでの利用を考えていましたが、実際は意外な使い方をされました。
「児童養護施設の子どもたちに利用してもらいたい」
寄附者が権利を譲渡し、児童養護施設の子どもたちを招待するものでした。最初の寄附者に限らず、今日まで寄附のあった6名全てが同じ使い方をしています。
寄附者の一人がこんな話をしてくれました。
「私はモノに対しては十分満足し欲しいものがありません。ただ、私の気持ちが子どもたちの笑顔を呼ぶのであれば、そんな幸せなことはありません。」
この方は、「へきなん満喫スペシャルプラン」の取り組みをメディアで知ったことをきっかけに寄附をしてくれました。
人から人へ想いが連鎖し、多くの子どもたちの笑顔が生まれる。ふるさと納税の本質を感じた瞬間でした。
これ以後、ふるさと納税が人の心を動かす瞬間に何度か立ち会いました。
そして、
一番心を動かされたのは僕かもしれません。
寄附金を集めるだけが我々の仕事ではないですよね。ふるさと納税を使って何ができるか、制度の本質と可能性をしっかりと地域に伝えなければいけません。「ふるさと納税で地域が変わった」そう思ってもらえる使い方と伝え方が必要です。
それは、寄附者と生産者、地域を繋いでいる僕たち自治体職員にしかできないことです。
ふるさと納税の制度は永遠に続くわけではない、そう言われています。
今、ふるさと納税を通じて実施している事業は、ふるさと納税があるからやるのではなく、なくてもやるべきです。
そのために、今、この制度を通じて何を考え、何をすべきかだと思います。
僕が日本を変える。
難しいかもしれないですね。
でも、ふるさと納税と一緒だったら変えられると思います。
大事なのは人です。人が人を動かすんです。
ぼくが動かされたように。
皆さんにとって、ふるさと納税とは何ですか?
一緒に日本を変えましょう。
※ふるさと納税担当1年目の僕に事例発表の機会をくれた㈱トラストバンク黒瀬さんと、ふるさと納税担当初任者向けセミナーの講師だった㈱トラストバンク田村さんと一緒に。
次回の投稿者は、福井県坂井市の小玉悠太郎さんです。
▼碧南市ふるさと納税
https://www.furusato-tax.jp/japan/prefecture/23209
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