ふるさとチョイスブログ

日本最大のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」のスタッフや地域の方が、オススメのお礼の品や地域の魅力など、ここだけの様々な情報を発信しています。

2019
05/15
03_自治体担当者リレーブログ

【千葉県南房総市】ずっとふるさと納税は変わり続ける!だから地域も変わり続ける!

はじめまして。今回ブログの担当をさせていただく、千葉県南房総市(みなみぼうそうし)の松田と申します。

鹿児島県曽於市さんからバトンをいただき、初めて関東にバトンが回ってきました!
令和初のリレーブログ!貴重な機会をいただき感謝いたします。

千葉県南房総市は、千葉県の最南端にあり平成18年に6町1村が合併してできました。
人口は約38,000人で、首都圏でありながら、過疎地域の指定をされています。

市の西側を東京湾、南と東を太平洋に囲まれ、水産業が盛んです。

また、南房総市は「酪農発祥の地」です。八代将軍吉宗が享保13年(1728年)インド産といわれる白牛(乳牛)3頭を輸入し、南房総市内の“嶺岡牧”で飼育を始め、牛乳を使って乳製品を作ったことが日本の酪農の始まりとされており、 “日本酪農発祥の地”として昭和38年5月に「千葉県史跡」に指定されています。

市内に8つの道の駅があり、1つの市にある道の駅の数は全国1位です。

道の駅 とみうら枇杷倶楽部

ふるさと納税担当として、これまで携わった仕事との大きな違いは他県の自治体の担当者さんや、全国の生産者さんと繋がりができることだと思います。皆さんと情報交換をしたり、取り組む姿勢に刺激を受けたりしているうちに、ふるさと納税に対する取り組み方の移り変わりについてお伝えしたいと思いますのでお付き合いください。

 

平成27年~28年度:ふるさと納税で地域の事業者さんが喜んでくれる

南房総市では平成27年度からお礼の品の取り扱いを開始し、ふるさとチョイスに掲載していただいています。近隣市町は既にお礼の品を取り扱っており、全国的にも数億円の寄附を集める自治体が現れ、中でも長崎県平戸市さんが14億円の寄附を集めたことが話題になっていた頃です。その翌年から、南房総市ではお礼の品の取り扱いを始めました。

市内の事業者さんを対象に説明会を開き、7月にお礼の品を掲載しました。掲載と同時に全国から寄附の申込みをいただき、平成26年度の寄附件数45件を3日間で超えました。

ただ「困った場合は近隣自治体の職員に聞く」のが市役所での仕事のセオリーですが、当時は近隣自治体職員もふるさと納税に関してはどのように対応したらいいか同じように悩んでいる状況でした。

その頃、トラストバンクさん主催の「ふるさと納税全国セミナー」という自治体職員向けの勉強会が開催されていることを知りました。東京での開催は8月の末だったので「とにかく早く現状の打開策を見出したい」という思いで、直近開催の愛知県碧南市で開催されるサミットに参加しました。全国トップレベルの件数を受け付けている自治体のご担当者の方や、トラストバンクのスタッフの皆さんとも面識を持てたことが大きな収穫でした。それ以来、多くの自治体の担当者と面識を持てるようにセミナーやイベントに積極的に参加するようにしています。

この当時の取り組み方針は、「ふるさと納税を産業振興の起爆剤にできないか」というものでした。「お礼の品の数を増やすことが寄附額の増加に比例する」と考えていました。市内の特産品と、それを取り扱う事業者さんの顔をPRしたいと考えていました。

南房総市では、お礼の品を配送している生産者の皆さんを対象に毎年アンケートを実施しています。

Q ふるさと納税のお礼の品を提供する理由をお答えください。

A 市の取り組む事業に協力したいから  60%

  収益があがっているから       20%

 

当時の事業者の皆さんの意識は、自身で動いて何かをするのではなく、市役所が取り組む動きに協力しているといった状況でした。

 

平成29年度:南房総市として何ができるか生産者の皆さんと一緒に考える

リレーブログのバトンを渡していただいた曽於市さんとのお付き合いは、この年に有楽町のふるさとチョイスCaféでコラボイベントをさせていただいてからのお付き合いです。
「畜産のまち曽於市&水産のまち南房総市のコラボ」というコンセプトでのイベント開催に向けてにトラストバンクのスタッフの皆さんも含めたグループラインを作っていただき、お互いの地域のお礼の品を組合せたランチプレートを作成したり、両市の担当で来店していただいた方の前でお話しする機会をいただいたりしました。寄附者の方と、じっくり会話ができるイベントですごく勉強になるし有意義なイベントでした。

トラストバンクさんが開催するセミナー、イベントに参加し続けるうちに、色々な自治体の担当者さんとも顔見知りになり、SNSでも繋がり情報交換を行うようになってきました。平成27年度にふるさと納税の取り組みを開始する際の生産者説明会で先進事例として勝手に名前を出して紹介していた島根県浜田市さん、静岡県西伊豆町さんと、いつの間にか色々な場で顔見知りになり飲み会の場でもご一緒させていただくようになりました。2年前まではセミナーの事例発表者とセミナー参加者の関係だったのに、このような関係を作れる「ふるさと納税」、きっかけを作っていただいたトラストバンクの皆さんに感謝しています。

この頃から寄附額が伸びはじめ、生産者さんの意識が変わってきました。
4月に寄附額のうち、お礼の品に対する率を3割以内にするよう総務省から通知が出されました。南房総市ではこの通知を受け、7月に事業者説明会を開き11月から全商品を3割の返礼率にしました。
説明会の時に事業者さんから、「今まで1万円の寄附で選んでもらえなかった商品の寄附額を上げても選ばれるはずがない。これまで提案した商品全部を内容量、価格を見直して提案のやり直しをしてもいいか?」と相談を受けました。全国的に人気のある商品をふるさとチョイスのお礼の品ランキングから調べ、自身でふるさと納税をして商品を取り寄せて研究する事業者さんも現れ始めました。

このころまでのお礼の品は、海産物であれば活きたまま、農産物であれば鮮度の良い状態でお届けするものがほとんどでした。事業者さんも、当時の築地市場や全国の市場に鮮度の良い状態で出荷することを主な販路としていたからだと思います。今でも南房総地域から高速道路のみで東京へ朝獲れの農水産物が届けられています。江戸時代は海路を使って届けられていたそうです。日本の中心地への搬送時間が他の地域と比べ短くて済むので、「昔から保存するための加工をする必要が無い地域だから、加工技術が育たない」と聞いたことがあります。

※干物を始めとしたすばらしい加工技術を持っている事業者さんはいるのですが、活きた状態でのあわび、伊勢海老、サザエなどを取り扱っていた生産者さんが、「寄附者の方へ賞味期限の長いものを届けたい、鮮度の良い状態で届けたい」との思いから、ふるさと納税のお礼の品用に冷凍機材を購入し商品開発する動きも出てきました。

平成29年の事業者勉強会

平成29年に、27年と同じ質問を生産者の皆さんにアンケートで聞いてみました。

Q ふるさと納税のお礼の品を提供する理由をお答えください。

A 市の取り組む事業に協力したいから 25%

  収益があがっているから  15%

  自社の宣伝にかるから  25%

  今後ふるさと納税を通じてPRしたい商品があるから 20%

 

市に協力しているという感覚から、利益面でのメリットを感じるようになり、ふるさと納税をPRのツールとして活用しようという感覚に移り変わり、新規商品の開発も行われるようになりました。

平成30年度の勉強会では、商品開発や発送方法の工夫で一歩先に出ている市内の生産者さんをパネリストとしてパネルディスカッションを開きました。
これまでの先進自治体の事例についてレクチャーするのではなく、身近な人からの生の発言に事業者さんたちも意欲が変わってきました。

平成30年度:目的を1つに絞らず、ふるさと納税の可能性を探る

昨年の9月に、島根県浜田市さんがふるさとチョイスCaféでイベントをしているところにお邪魔したら、志布志市の児玉さんにお会いしました。児玉さんと、浜田市のふるさと納税を受託されている井上社長とお話しさせていただき、「寄附をしていただいた方への感謝ツアーを企画したい」と言ったところ、「南房総市は東京から近いんだから、日帰りツアー、宿泊ツアーを隔月で実施してもいいと思う」とアドバイスをいただきました。平成31年度は日帰りツアー1回だけですが、昨年寄附をいただいた方を対象にツアーを実施できることになりました。

全国のふるさと納税を担当されている方にアドバイスをいただける関係性はすごく貴重なことだと思います。

昨年は災害も多く、南房総市では広島県への代理寄附受付を行いました。熊本県への代理寄附を行った時にできなかった「郵便振込による寄附受付」も行いました。“日本が一つになって誰かを応援することができる”との思いから南房総市が発行するメールマガジンでも災害支援の代理受付のことを記載し「申し込みフォームの応援メッセージ欄へのご記入をお願いいたします。皆様からのメッセージにより被災地を元気づけましょう。寄付金と合わせて、皆様からのメッセージも南房総市が広島県へ責任をもってお送りします。」と記載しました。
ふるさとチョイスCafe店長のブログでもご紹介していただきました。
https://blog.furusato-tax.jp/?p=5497

クラウドファンディングにも挑戦しました。
南房総市を代表する海産物であるアワビの水揚げ量の減少と、その背景にある後継者不足問題に対するクラウドファンディングでした。
この取り組みはテレビ東京のワールドビジネスサテライトでも取り上げていただき、おかげさまで目標金額を達成できました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

放送の数日後の朝、コンビニのATMでお金をおろしていたら急に尻を叩かれました。
振り返ると、70歳ぐらいの男性が立っていて、「お前、市役所(の職員)だろ!テレビ見たよ!漁師を応援してくれてありがとな!」と言ってまた尻を叩かれました。
クラウドファンディングの取り組みは、市のホームページや地域の新聞に掲載していただいていましたが、これほど市民の方にふるさと納税を認知して、言動で伝えていただいたことは無かったので感動しました。コンビニ内で必要以上に声が大きかったので恥ずかしかったですが。

全国の先進自治体では、ふるさと納税に取り組む理由、寄附金の使いみちを明確に打ち出しているところが多くあります。南房総市でも何年も前からその方向性を出そうとしていましたが、やっと昨年「子育て支援のために寄付金を活用する」という方針が打ち出せました。
マンスリーサポーターという制度を使って、子どもが学習塾や文化・スポーツ教室での学校外教育サービスに対してクーポン券を発行することで助成することや、奨学金の財源として2,000円以上の寄附を毎月自動引き落としにする取り組みを開始しました。この制度はお礼の品はありません。しかし、まだ始めたばかりですがすでに4件のお申し込みをいただいています。
この制度開始には、福井県坂井市の小玉さんにご相談に乗っていただきました。

これまでふるさと納税に携わって、色々な自治体の担当者の皆さんからのアドバイスがあって取り組んでこれました。このリレーブログをはじめ、ご縁を作ってくださるトラストバンクさんに感謝いたします。

寄附者の方や、自治体の担当者、生産者の方と繋がって色々話をしていると、ふるさと納税で取り組めることはたくさんあります。今の南房総市で「ふるさと納税」を活用して取り組んでいることは、そのうちのほんの一部のような気がします。正直言って何が正解かは分かりません。数年後には、今と違った切り口で取り組んでいると思います。ただ、未来の自分、または後任の担当者が振り返った時に「あの頃をステップにして現在がある」と思えるよう、今年度も取り組んでいこうと思います。

次の記念すべき30回目のリレーブログは、長野県白馬村の渡邉宏太さんです。
渡邉さんは千葉県のご出身です。色々お話しするようになった途端に教育委員会に異動されてしまい残念です。昨年東京ビックサイトで開催されたふるさと納税大感謝祭の懇親会では同じテーブルでした。懇親会で縄跳びをされていた姿が印象的です。

▼千葉県南房総市のページ
https://www.furusato-tax.jp/city/product/12234

 

 

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