ふるさとチョイスブログ

日本最大のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」のスタッフや地域の方が、オススメのお礼の品や地域の魅力など、ここだけの様々な情報を発信しています。

2019
07/01
03_自治体担当者リレーブログ

【三重県玉城町】ふるさと納税の過去と未来

こんにちは。まさかこのリレーブログで私がバトンを受け取ることになるとは・・・
八代市の友田さんからのバトンなので断れませんでした(笑)

ふるさと納税の制度が始まって以来ずっと携わっています、三重県玉城町産業振興課の中野です。

この制度も10年を迎え各市町村の担当者も入れ替わり当時を知る人が少なくなってきた今、もはや生きた化石状態です(笑)
そんな私だからこそ、ふるさと納税に関しての想いをお伝えしてみようかなと思います。
ただ約10年携わってきたので回顧録的になり長くなりますし、あくまで私の個人的な所感ですので興味ない方はスルーしてください。面倒くさい感じになると思いますので・・・
私のことを知っている人は相変わらず、グダグダと長く喋っていやがんなって感じです(笑)
態度はライオン並みですが存在はアリンコレベルですから(笑)

 

制度開始当初、玉城町では寄付受付事務は総務課、お礼の品の発送等の調整は産業振興課が担当していました。私は総務課で主に寄付の受付事務の補助と財政も担当していましたので寄付の充当(使い道)に携わっていました。そして、4年前に産業振興課に異動となり、寄付管理システム等も導入し事務負担が軽減したのと、やはり受付とお礼の品も同課でやったほうのメリットが多いと思い産業振興課で寄付受付もお礼の品も担当することにしました。

制度開始から携わった人間としては、今の制度の現状はとても淋しい感じですね。

私の個人的な所感で、誤解を恐れず言うと、数年前から最近までのふるさと納税のイメージとして自治体は金額、件数の実績優先のため返礼品ありきの紹介、ポータルサイトやマスコミも物(返礼品)ありき、お得感などの表現の仕方でいつしかショッピングサイト化。

お礼の品がいつしか商品になってしまった。今まで国の制度で民間企業がテレビCMとかするってあります?それもどのCMも制度内容はうたっていない(笑)自治体への寄附(応援)制度であるのに・・・

また、国も自治体に委ねた形で寄付者に対し本来の趣旨の広報や制度の誤認の是正には消極的。
国も地方ももっと意見交換をし早く正しい方向に戻すことは出来たはずです。誰も制度の正しい音頭を取らなかったからこうなったと私は思っています。誰が悪いとかではなくね。

もう、今更ですけどね。なのでなるべくしてなったという感じですね。

 

私は数年前から返礼品合戦になってしまった時からずっと言っていますが、このようなふるさと納税は一度リセットの意味も含め無くすか、共通ルールを設けるべきであると。返礼品合戦より政策合戦で競うべきであると。返礼品による地域活性化など後付けであると。

簡単に言えば町の事業所の物が外に出て事業所が儲かれば町も潤う、なので雇用も生まれ地域活性化に繋がるってストーリー。
でも、後発の自治体の多くは、最初からそんなこと考えてやってないと思うんですよね。それなら制度が始まったときからやっているはずですからね。

しかしアリンコがどれだけ叫んでも誰の耳にも届かず時代の流れに簡単に飲み込まれてしまいました。

 

私の町、玉城町は松阪牛で有名な松阪市と伊勢神宮で有名な伊勢市の間にある人口約15000人の小さな町です。
伊勢神宮の隣町なので伊勢神宮とは深いかかわりのある街で、昔は宿場町として栄えた街です。
そして、わが町は今年世界遺産登録15周年を迎えた熊野古道伊勢路の出発点であります。

また、町の中心には約440年前に織田信長の次男 信雄(のぶかつ)が居城した続日本100名城の田丸城跡があり、歴史深い町です。
三重県といえば伊勢神宮や伊勢志摩は知られていますが、玉城町のことは当然ながら全国的には無名な町です。

【玉城町の田園風景】

【熊野古道伊勢路出発点(道標)】

【続日本100名城 田丸城跡】

そんな玉城町では、ふるさと納税が始まった平成20年からふるさと納税に取り組み、玉城町に寄付をしていただい方にはお礼の品として玉城町の特産品を送っていました。

実はわが町は平成19年に宮崎県と同時に全国で初めて税金などの公金クレジット収納を始めた自治体なのです。そのおかげで、ふるさと納税についても制度開始時からクレジットでの寄付を可能にして対応しました。

そして、なぜ返礼品をつけたかというとちゃんと理由がありますが、根拠から話すと長くなるので割愛します。また、一緒に飲んだ時にでも聞いてください(笑)

ただ、当初の国からの制度の案内ではふるさと納税という制度は広まらないだろうなと思いました。
あと、名称ね。寄付制度なのに納税って(笑)それだけで住民は敷居が高く感じてしまうのにそのあたりを考慮できないのがお役所仕事なのでしょう。

ドラマの言葉を借りると事件は会議室で起こっているのではなく現場で起こっているのですがね(笑)

なので玉城町は最初からふるさと納税とは言わず玉城ふるさと応援寄付としてPRしてきました。
その中でも玉城町を応援してくれた方に玉城町を覚えてほしい、知ってほしいとの想いと、感謝の気持ちとして玉城町の特産品をお礼の品として送りました。

当時はお礼の品を送る自治体は少数でしたし、ふるさと納税に取り組む自治体も少数でした。当時はふわふわした状態で始まった制度ながら色々議論し、アイデアを出し合いながら玉城町はふるさと納税をふるさと応援寄付として当初からスタートしました。

 

世界が広がった先進自治体会議

当時の玉城町のふるさと納税の受付事務は総務課、お礼の品の調達、送付は産業振興課という役割分担でした。私は当時総務課で受付事務でした。

ふるさと納税制度が始まって数年後、ふるさとチョイスを運営するトラストバンクが主催する先進自治体会議に参加する機会がありました。
そこで初めて全国でふるさと納税に取り組んでいる自治体や取組内容を知ることができました。

死語になっていますが、当時は時代を一世風靡した?九州三羽烏(平戸市 黒瀬くん、玄海町 井上くん、綾町 小崎くん)、に会ったのもこのときが最初でした(笑)

今でこそフレンドリーですが当時はみんなが自分たちのやっている取り組み方にプライドを持っていて結構バチバチだったと思います(笑)余所は余所、ウチはウチみたいな感じで。

ただ、情報交換、情報共有の場としては最高の場でした。お互いが試行錯誤したときの悩みや普段疑問に思っていたことや質問を交わすことができたので。

この会議は数年間、毎年開催され毎年参加しました。夜は有志の懇親会にも参加しトラストバンクのスッタッフも交え親睦を深めることができました。
みんな各々熱い想いや考えがあり町の状況は違えど、自分の町のことを考えた話をしてましたね。お酒を飲みながらなので更に熱く、そして最終的にはバカになるという(笑)そこから、いろんな方と親しくなり沢山の仲間と今もその関係は継続中です。

県内の自治体職員同士仲良くなるのも珍しいのに、全国津々浦々の職員の方と仲良くなるなんてなんとも珍しいですね。いろいろな制度があり他自治体と情報共有したりする制度は他にもたくさんあるのにね。これは、ふるさと納税制度の功績であると思います(笑)

あと、このきっかけを作ってくれたトラストバンクと須永社長に感謝です。

【第1回の先進自治体会議の様子】

 

ふるさと納税はあくまでツール

私はずっと言っていますが、ふるさと納税はあくまでツールであると。

自分の町を知ってもらう、自分の町を応援してもらう、すなわち自分の町のための政策を応援してもらうための手段であると。

今までいろいろな自治体の担当者の方とお話をした中で感じたことは寄付を集める担当課と寄付の使い道を決める担当課が違うため集める側と使う側の温度差がかなりあるなと。

本来は使う道が決まっていてそのために財源を集める、本来なら一般財源だけでは先送りになってしまうはずの事業にふるさと納税を財源にして前倒しして実施するなどのはずが寄付を集めたけど思うように活用されないなど担当者の苦悩もたくさん聞いてきました。

自治体職員の運命でありますが人事異動等により、なんのために集めているか想いや熱意までは引き継ぎができず、件数金額だけを追ってしまう担当者が増えたように感じました。

あと、ふるさと納税に関係していない課や職員は無関心。結構あるあるだと思いますよ。実はウチも・・・(涙)

 

ふるさと納税きっかけに寄付者の方と繋がっていくために

ふるさと納税制度の愚痴ばっかり言ってもしょうがないので、私が今までチャレンジしてきたことを少し紹介させていただきます。

まずは、町民向けにふるさと納税を活用した旨のシール表示や寄付者の方へのお礼の動画です。

玉城町では当初からふるさと納税で購入したものにシールを貼り当町民にふるさと納税の啓発も行ってきました。

【啓発シール】

【実際の様子】

また、ふるさと納税でいただいたお金で購入した遊具など町内の利用者から寄付者の方へ向けたお礼のメッセージを動画にして玉城町のホームページなどで掲載し、玉城町の感謝の気持ちを伝えていました。

後に平戸市の黒瀬くんがそれをヒントに素晴らしいお礼の動画を作ったためうちの動画の存在感はまったくありませんでしたが(笑)知る人ぞ知る、最初のお礼の動画は玉城町が元祖なのです。

また、寄付者の方に寄付をした玉城町がどんな町かを知っていただく為に、私が産業振興課に異動になった4年前から東京の日本橋にある三重県のアンテナショップ「三重テラス」で「感謝祭」として玉城町のことを知っていただくPRイベントを毎年開催しています。

これは北海道の上士幌町や長崎県の平戸市の感謝祭開催っていうアイデアを参考にしましたがイベントの中身は自分で考えましたよ。継続は力なりというだけあって年々参加者の方も増え、玉城町のファンも増えてきています。

毎年楽しみしていますって寄付者の方からメッセージを頂いたりすると嬉しいものです。

【三重テラスでのイベント(感謝祭)】

全国初の広域連携事業

また、特産品ありきのイメージ先行のためか私の力不足のためか、あまり有名なっていませんが(笑)全国では初であろうふるさと納税をツールとした広域の取り組みも4年前からやっています。

これは、三重県の南部地域を元気にしていこうという県の基金事業でテーマは特に決まっていません。そこでふるさと納税をツールにして三重県南部地域への誘客と地域活性化を広域で取り組んでみようということになりました。

三重県の南部地域は玉城町から南の13市町が該当します。事業初年度は南部地域10市町での取り組みでスタートしました。

県外の方は三重県といえば伊勢神宮、伊勢志摩等いうイメージだろうと思いますが、それ以外にも素敵な場所、美味しいものが南部の地域にはありますよ、そして、私達の町を好きになって、遊びに来てくださいっていうことをコンセプトに進めていきました。

決して、寄付件数、金額を増やすための取り組みでなく、南部地域のファンを増やし、その結果が寄付にもつながるのだと各市町の担当者に言い続けてきました。

広域連携のメリットとして一つの町単独では人員、予算的に厳しくても広域でやればそれが解消されPRのチャンスも増え、近隣市町同士での相乗効果も期待できるということです。

そして2年目からは南部地域13市町全部が揃い更に活動を進化させていきました。

そのひとつとして、3年前からやり始めた三重県南部への体験・体感ツアーの開催です。

ツアー初年度は日帰りツアー、翌年度からは1泊2日のツアーを企画しました。
このツアーの目的も我々の地域を知ってもらい、寄付者の方と繋がっていこうということです。

ガイドブックには載っていない穴場や地元民が知る食べ物、特産品を取扱う事業所や生産者など各市町の担当者が自分の町のおすすめをチョイスして参加者を案内しています。

もちろんバスの中でも目的地まで各市町の担当者がいろいろ参加者をおもてなしします。寄付者との方々と繋がり、自分の町と自分たちを知ってもらえる良い機会となっています。

今ではリピータも増え定着しつつあるこのツアーですが、正直企画したときは三重県まで自費できて(前泊、後泊も当然自費)更に参加費10,000円もだしてツアーに参加してもらえるのだろうか、伊勢神宮には来るけど三重県の南部のほぼ無名な地域に来てもらえるのであろうか不安でしょうがありませんでした(笑)

結果論ですがやってよかったですし、参加者の方からも好評です。
ちなみに、過去3年はなるべくコースや行く場所が同じにならないよう担当者で知恵を絞っています。

【チョイスCaféでの広域連携PRイベント】

【三重テラスでの広域連携PRイベント】

【広域連携のバスツアー】
東紀州コース

【13市町の担当職員】

【伊勢志摩ツアーの様子】

このツアーの様子はトラストバンクの伊藤さんが上手に伝えてくれています。
https://blog.furusato-tax.jp/?p=5062

最近は寄付者参加型のツアーも流行っている?ようですが、これもウチが先駆けですね(笑)

広域連携はいろいろな可能性があると思いますよ。

ただ、デメリットというか強いて広域連携の弱点とするならば、担当者の温度差、各市町の温度差が大きいほど、責任者の負担が大きくなっていくということですかね。

あと、組織が大きくなると担当者だけの想いで物事が進められなくて、足並みが揃いにくい。また、未だに件数、金額ありきで評価されてしまう。当然いいことばかりじゃないですね(笑)

あと、重要なことは自治体を繋げるまとめ役、リーダーが必要であるということ。

それができるのは県だけだと思います。
県が潤滑油的な存在となり市町を繋げてくれないと、些細なことで空中分解してしまう可能性がありますから。市町村が活気づけば県も活気づく、県が活気づけば市町村も活気づくはずですから。単体の繁栄なんてありえないと思いますから。

でも、この考えがなかなか伝わらないのですよね(涙)

これからは、相乗効果を狙った取り組みが重要になってくると思います。

 

物事を進めるのは何事も当たって砕けろ!の精神

予想通りとりとめのない話をグダグダ書いてしまいました。ここまで読んでいただいた方、お付き合いありがとうございました。

最後にまとめとして言いたいことは、ふるさと納税の取り組みだけでなく、すべてのことに共通することで当たり前のことですが、何事もチャレンジすることが大切です。
最初から成功することなんてほとんどないのですから。失敗から次のステップへ進めるのです。

あと、参考と真似はまったく違うものですからね。
時代(制度が始まった頃)が違うのかもしれませんが、当時の担当者はいろいろオリジナリティがあったように思います。
その町によって状況や性格が違うので他所と同じになるわけがないのですから。

また、担当者の立場により進め方が違うと思うのですが、あきらめず情熱と熱意だけは持ってやってください。
物事は一日にしてならず、
安西先生風に言えばあきらめたらそこで試合終了ですから(笑)それを成し遂げるためにはいろいろな努力をしなければ物事は動きません。
ましてや人を動かすことは相当な労力を必要としますから。

今後も自分の町にあった取り組を他所の町と競っていきたいですね。そして繋がれるとこは繋がって更に発展させていく。
自分のためにやっているのでなく、町のため住民のために我々公務員は仕事をしているのですから。行動あるのみです。

私はふるさと納税きっかけでたくさんの寄付者の方々に無名の玉城町を知ってもらうことができ、また、自治体の職員の方々からは、新しい学びや刺激をもらうことができています。

そして、そのすばらしい仲間たちとは、ふるさと納税の担当でなくても繋がりが続いています。
その関係は私がふるさと納税の担当者でなくなっても続いていくでしょう。

まだまだ全国には本当に町のために活躍している仲間がたくさんいます。

我々もまだまだふるさと納税をツールとして自分の町のためにがんばっていきましょう!

明日もみんなが笑顔になりますように!

 

次回の投稿者は、鹿児島県奄美市の三浦さんです。三浦さんとも飲み友です(笑)
三浦さん次回よろしくです!

 

▼三重県玉城町のページはこちら
https://www.furusato-tax.jp/city/product/24461

 

 

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